思い出深い建物がまたひとつ終わった。思い起こせば、今年は大変な現場ばかりだった記憶がする。デザイン的にはさほどではないが、概算してもらって、基本合意してもらって、請負契約をしてもらって、工事着工してからも、さらなるVEをして、・・・。爪に火をともすような、VEの連続、工夫を重ねてようやく完成した。 一時は、コストが合わずに施工会社も逃げ出したい気持ちだっただろうに!(笑)
しかし、施工会社社長が一度はやると言った以上は、やらなければいけない。その有言実行が今回の完成にこぎつけた理由である。感謝しなくては! こういう苦境をともに乗り越えた経験が、お互いをさらに強い関係にしてくれるものです。
昨年12月20日と
今年の2月6日と厳しいハードルを乗り切った筈だったが、その後、設計図書が完成し、確認申請が降りて、構造図が出来て、詳細積算してみたら、「とんでもないことになった」、「えらいことになった」と青くなって、施工会社の営業マンがやってきたのを昨日のことのように思い出す。 だいたい戸当たり○○万円という概算は、狂いが大きすぎる。とくに今回のような、ペンシルビルの場合は!
しかし、不思議なものです。完成すると、そんな苦労の跡など、みじんも感じさせてくれない。それが、「ザ・ケンチク」。
デザインのヒントは、GUCCIです。
そもそもこのカラーは乗馬からヒントを得たと言われています。
馬具の腹帯に起源を持つ、グリーン・レッド・グリーンのグッチ独特のアイコンが今ではラグジュアリーブランドの代名詞となっています。
くつわ、とあぶみをヒントにした、ホースビットの革新的デザイン。
しかし、誰も今、そんなことなど気にしていません。
すでに1階のお店にはイタリアンのパスタのお店が狙っているという噂です。(笑)