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今回社員募集に応募していただいた皆様へ、

山口T君、福田君、中台君、岡崎さん、小川さん、永野君、望月君、向後君、中村さん
高橋君、長澤さん、山口A君、森田さん、大庭君、良井君、大畑さん、田辺君
その他電話をくださった方達へ

この度、曽我建築設計事務所にご応募いただきありがとうございます。
予想をはるかに超えた応募人数に、正直困惑しております。当初雑誌社との打ち合わせでは、入社希望は給料も安いので4~5人程度ではないか?とのお話でした。 だから全員とお会いしようと覚悟を決めておりました。 なのでかなり早い段階で、内定通知を出してしまいました。しかしそのあと、さらに応募者が急増し、結果的には20名の応募者が書類を提出してくださいました。それ以外にもお電話での「まだ募集していますか?」の問い合わせが10数件きました。
掲載途中ではありましたが、雑誌社に募集中止の連絡をさせていただきました。

今回の面談を通して、

こんなに大勢の人達が建築設計のお仕事に興味を持っていながらもそのチャンスがなかなかつかめないという現実の厳しさもわかりました。 いろんな方と面接をさせていただきながら、私がこの世界に足を踏み入れた頃を思い出しました。
オイルショックの後半で、就職先など全くなく、ましてや設計事務所など募集するわけもなく、新建築の裏広告でも、ほんの2~3社しか募集しておらず、またそのほとんどが経験者を対象にしているものでした。
しかし絶望することなく、いろんな方を通して、相談しまくり、なんとかたどり着いた設計事務所の面接では、火山が噴火したかのような、猛烈な勢いで、しゃべくりまくった記憶があります。あの時、熱意だけは伝わったと思います。
あのとき持参した住宅の設計課題「通し柱は棟持ち柱で、大黒柱の床柱」と何とも言えぬダジャレ感たっぷりのタイトルのものと、卒業制作の「近代建築歴史博物館」という完ぺきに名前負けした内容のものなど、今でも見る度に顔から火が出ます。(笑)
当時から、なんとかして、相手を笑わせようというサービス精神があったのでしょう。
給料の話など全くせず、とにかく使ってくださいの一点張りでした。 今でも不思議なのですが、なぜ私を採用してくれたのか? わかりません。 今自分がその使う側の立場になって初めてわかるのですが、所詮、1時間程度の面談で、その人の技術力とか才能とか、解るはずもなく、その面談で、合格だとか落第だとか?が偉そうに言えるほど私は、人を見る目を持ち合わせていません。解るのは、むしろ縁とか、その人物、性格、パワーに賭けてみようか?と感じられたかどうか?印象に強く残ったか?くらいのものでしょう。
つまり一生懸命に行動すれば、何か伝わるものがあるのではないでしょうか?
若さというのは、若い人にはもったいないくらい素晴らしい。と高校の先生が言っていました。
ただキャリアだけは大切にしてほしいものです。建築が好きだと言う割に、建築の世界に身を置かず、飲食店や物品販売店でアルバイトをしている若者がいますが、それでは本当に建築が好きだという熱意が伝わりません。それなら、とりあえず大工さんや左官屋さんや、建具屋さんに行くなど、いろんな形で、まず建築の世界に飛び込むことです。そこでは、また違った建築の世界が見えるはずです。 私たち設計事務所の最終目標は素晴らしい建物を造る事です。設計事務所の人たちの役割は、その手段がたまたま設計だったという事にすぎません。建築する大きな歯車の中の一つでしかありません。大勢の方、多くの職人らの歯車が合わさりひとつの建築が完成します。
今、どこで働くか?など長い目でみたら小さな問題です。大切なことは、「建築への想い」だけです。 私はこの仕事を天職だと感じています。能力の高い低いではなく、「好きな建築で満足のいく人生を送れる」。
いつか、必ずその思いは報われると信じ、頑張りましょう。「自分を信じること」。念じるに近いかもしれません。
あきらめず最後まで自分を信じ切れた人が幸せなのではないでしょうか?

たとえば安藤忠雄さんの本を読むことをお勧めします。 人生の切り開き方や夢への実現力など、これから建築の道へ向かおうとする若い人たちへの良い羅針盤と呼べる内容のものです。
ぜひ一度お読みください。きっと力が湧いてきます。

あなたの夢の実現に協力できなくて残念ですが、これから近い将来、あなたがチャンスをつかめることをお祈りいたします。  チャンスは貯蓄できません。今だ!というチャンスが来たら、見逃さず、ぜひ手に入れてください。
その日のために今を生きてください。
by sogatoru | 2010-01-12 11:36 | 独り言
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