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新年会その一 

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私のお付き合いしているお客様の中では一番の資産家です。
新小岩では有名なI様です。 幼少時、駅から自宅まではすべて自分の土地だった。
私のブログでは初めての登場になります。(今まで諸事情があり、あえて伏せてきました。その事情はさておき)
このご兄弟とはもう15年来のお付き合いになります。
15年前、比較的小さな建物からスタートさせて頂きました。(I様にとっては小さいという意味ですが)
当時、Tという、新人2年目でずっと業績がタコだった営業マンがいて、このままでは、移動させられてしまう、そんな状況下の寸前で(同じ明治出身という理由だけで)、情で、I様から「ご契約」という救いの手を差し伸べて頂きました。
そしてその2年後には数十億円規模の免震構造の建物の受注へと信頼、関係を深めていき、ついにTはNO1の称号である金賞営業マンへと花道を駆け上がっていく。まるでドラマ「島耕作」を見ているような出世街道をTは歩んだ。表彰式の壇上でTのコメントは「今、自分があるのはI様と設計の曽我さんのおかげで・・・涙」
Tの初受注の時、場所は事情があり事務所ではなくスカイラークでの調印式でした。Tの手が震え、声も震え、頬を伝わる涙、その初々しさに、私も忘れかけていた何かを、感動を・・・ 。まさに初心わすれるべからずの大切さを教えてもらった。   
あれから15年、未だにこうして一席を交わす関係が続いております。
お互いの顔を見るとそれなりに老いてしまいましたが、元気な顔を見るにつけ、私自身「いい仕事」をしてきて本当に良かったと思います。
そう思えなければここにはいられないからです。
会社員である前に設計者(建築家)であり、一人の人間である。
プロフェショナル技術者として、うそをつかず正直に意見する。誠実なサラリーマンアーキテクトは必ず一度はこの問題にぶつかる。
今日の席でもI様は、「俺は命をかけて事業をやっているんだ」と力説されておりました。同じように、当時は私も、それに応えるがごとく、似た想いで設計に向かっていたと思います。もちろん今もそれは変わりませんが。
写真中央のI様のお兄さんから教わるのは、ストイックな精神と義理・人情です。今でも毎日10キロのランニングを欠かさない。昨年、走りすぎてさすがに身体を壊したそうです。普通、資産が増えると、それに応じた使いっぷりになるものです。しかし、お兄さんは、未だに愛車は軽トラだし、着けているネクタイは100ショップで買われます。極端に華美なものを嫌います。
呑む酒や呑む場所もきわめて庶民的です。
ですから私はそんな性格を表すような建物デザインを心がけました。
色使いも全体をグレーでまとめ、形態も直線的でシャキッとしたイメージ。
引きかえ写真左側の弟さんは、正反対です。
兄弟というのはそういうものかもしれません。愛車はジャガー、(私の車が2台は買えます)
レンガ造の自宅の室内はベルサイユ宮殿のような雰囲気。
ですから私が設計した建物デザインもご兄弟ではまったく変わります。全体がラウンドし、色使いも多くなり、シャンデリアのある美術館のようなエントランス、華のあるデザインになっていきます。
性格が正反対なので、馬の合う時と、そうでない時が両極端に入れ替わります。
今日もスタートは明るかったのですが、最後「俺はもう帰る!怒」で解散、御開きとなりました。笑 (Tに後は任せて)
by sogatoru | 2014-02-01 17:19 | プロフィール
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